へそのゴマ、臍石?、
へその病気、お手入れ法
黒岩医院 
院長 黒岩 達

へそ(臍):腹部の真ん中の小さなへこみ。臍帯の取れた跡。(広辞苑)

大切な役目を果たしてくれたはずなのに、ついつい、ないがしろにされている、"おへそ"。母親との連結装置・命育む管・ "臍帯"の痕跡。
「"おへそ"をいじると、 ゴマを取ると、おなかが痛くなるヨ!」そう言われていても、時には恐々こっそりほじくった、"おへそ"のゴマ。

最近では、ファッションとして、丈の短いシャツにローライズ・パンツ、へそピアスなどの臍だしルックが流行し、"おへそ"も表に出る機会が増え、以前に比べるとお手入れも行き届いて来たようです。
宮里 藍ちゃんのフルスイングでチラッと見える、健康的な"おへそ"もいいものです。そんな、おなかの真ん中で、壁のもっとも薄い部分"おへそ"にも、いくつかの病気を生じることがあります。

"おへそ"の病気、その他

臍ヘルニア : いわゆる"出ベソ"
臍輪の閉鎖不全のために生じた臍部が皮膚もろとも突出している状態、多くは、生後1年程度で自然閉鎖し、軽快することが多い。大きい場合には手術が必要なこともある。
☆尿膜管遺残 : "おへそ"の中がいつもジクジクとwetで少し不快な臭いを伴う、時には炎症を起こし、臍部のかゆみ、発赤、痛みを起こしたりする臍洞。おへそに連なって膿の溜まり(膿瘍)を下腹部の腹壁内に作ったりすることもある。
臍部からいつも膀胱の尿がもれる臍尿瘻。いずれも根治のためには手術が必要です。病院に相談ください。
臍部の癌 : 原発性の癌、数は非常に少ないが、臍部の組織から癌が発生することがある。他の場所からの転移ではないことを証明するのがやや難しい。
Sister Mary Joseph結節、腹部の癌が臍部に転移し、そこに腫瘤を作ったもの。いずれも治療の困難な、大変な病気です。
臍石 : これは私の命名でへそのゴマの親玉です。
病気とは言えないかもしれませんが、時として、大いなる邪魔物になります。"おへそ"のくぼみの中央に一致して黒褐色の硬い異物として触れ、サイズは小豆大から大豆大、まれにはマカダミア・ナッツ程の大物まであります。これらを多くコレクションしている外科医もいると聞き及んでいます。
へそのゴマはいわゆる垢の塊であり少々不潔なものです。腹部外科手術のおり、特に腹部正中切開を行う場合には切開創が臍部に掛かることがあり、邪魔になり不潔です。私も何個も取り除いた経験があります。

"おへそ"の形によって臍石を作りやすい人があるようで、ドリーネ状(カルスト台地の)で細く深いおへそに石はでき易いようです。また、クリーニングの難しい腹部に、脂肪のやや多い女性に好発する印象があります。
臍石のあるおへそは、指でなでると、おへそに種でも押し込んだように硬い塊を触れます。こうなると、とても自分で取り除けるものではありません。臍石の鉗子による摘出、十分な清拭、消毒操作が必要となり、病院での処置が勧められます。ご相談ください。

◆そう、ならないために、身だしなみとしての、"おへそ"のお手入れ法

体の中で凸凹のひどい部分は、どこでも、洗いの重要ポイントです。おなかを睨んで、"おへそ"を少し引っ張ってみて、底が見えるようならば簡単です。
入浴の折、石鹸を含んだタオルを指にかぶせ、これで2〜3度"おへそ"に突っ込んでクルリと回す。これでOK。週に2〜3回実行すれば、あなたの"おへそ"はいつもキレイです。
不幸にして、底が見えないあなたも、同様に"おへそ"のへこみに合わせて、少し押し込んで、タオルでクルリ。これだけで、外から見える範囲は、十分にキレイになります。
初めて"おへそ"を洗う場合は、もし垢が見えても、決して一度に、完全に取り除こうとしないこと、これがコツです。何日か繰り返しているうちに、だんだんキレイになります。無理をすると、赤くなったり、痛くなったりします。
綿棒や細い物を、細くて深い"おへそ"に無闇に突っ込むのも、傷つけることもあり、おすすめできません。「ここは、昔からの言いつけを守ってください。」 


仕事上、口の中胸やおなか場合によっては、胃や腸の中まで診察で見せていただきますが、日ごろから、どうも"おへそ"が冷遇されているように思えてなりません。まだまだ、お手入れ不足の"おへそ"がちょくちょく見られます。確か、今年の臍石の摘出は2ヶでした。腹部の診察のついでに採ったものです。

身だしなみの一つとしての、"おへそ"の手入れを定着させたいものです。"おへそ"にも愛のお手入れを!!

平成18年1月