熱性けいれん
乳幼児が中枢神経系の感染症(脳炎や髄膜炎)以外の感染症(例えば中耳炎、肩桃炎や尿路感染症)の発熱時に発症することがある。通常短時間の全身性のけいれんのことです。
次の定義を満たすのが『単純型 』熱性けいれんです。 @ てんかんの家族歴がない。
A 分娩外傷その他の脳障害の原因となりうる疾患の既往がない。
B 発病年令が生後6ケ月〜満6才以内。
C 発作の持続時間が最高20分以内。
D けいれんは左右対称性で局所症状がない。
E 発作終了後、持続性意識障害がない。片麻痺がない。
F 明らかな神経症状、知能、性格障害を有しない。
G 発作が短時間に頻発することがない。
この定義をはずれるものが複合型で、てんかん性熱性けいれんと考えられます。
熱性けいれんの危険因子
熱性けいれんのうち、予後不良群、すなわちてんかんに移行する群があります。
この危険因子として次の諸頂があります。
@ 熱性けいれんの発病以前より神経学的異常あるいは知的能力の発達遅滞を示す。
A けいれんが遷延するか、24時間以内に反復、あるいは片側性、焦点性。
B 初発が1才未満。
C てんかんの家族歴。
D 頻回に繰り返す。
熱性けいれんの処置
@ 熱性けいれんのひきがねは熱が急にあがることです。
A この熱は、感染のためにでるのですから、それが終らないと熱はさがりません。
B 解熱剤は熱をさげることがその主な作用ですから、その効果(3〜4時間持続)がなくなれば、再度発熱し、その急上昇時に再びけいれんがおこることがあります。
C 解熱剤の副作用には重篤なものがありますので、その濫用は禁止です。
D 抗けいれん剤(座薬等)でけいれん発作を予防することができます。
E 脳波の検査をしたほうが良いでしよう。
けいれんの一般的処置
はじめてけいれんに遭遇すると驚きますが、あわてずに、
@ けがをしないように周囲の危険物を取り除く。
A 衣服のボ.タンをはずして、ゆるくしてやる。
B 吐物や分泌物を気管の方に吸い込まないように顔を横に向ける。
C できるだけ安静にして、音や光などの刺激はさける。冷たい手でされることや、叩いたりすることは、むしろけいれんを長引かせる。
D 舌をかまないように何かを口の中に挿入することがすすめられていましたが実際けいれんで舌をかむことはまれであり、たとえかんでも大事にいたりません。
むしろ、けいれん中に無理に口をこじ開けることはかえって歯や口を傷つけたり、けいれんを長引かせるので、そのような処置は必要ないと考えます。
E 高熱があれば、氷枕、氷嚢で頭を冷やします。
次の場合はすぐに医師の診療を受けてください。 @ 初めてのけいれん。
A けいれんの様子がいつもと違うとき。
B けいれんが15〜20分以上も持続する。
C けいれん時間は短くても、何回も反復して起り、けいれんとけいれんの間も意識障害が続く場合。 とくにB、Cは 『けいれん重積症』 と考えられます。急いでけいれんをとめないと危険ですので救急車を利用する。