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百日咳患者来院
田中泰之 2009/03/16 (月) 13:30 [No.1522] 返信(引用して返信)
20歳代女性、2週間続く発作性の咳・発熱無・痰無にて来院胸部レントゲン異常なし(ワクチン接種済)
百日咳抗体陽性東浜10倍・山口160倍にて百日咳の診断
妊娠6ヶ月にてエリスロマイシン・メジコン・麦門冬湯投与徐々に改善中。
その後主人(ワクチン接種済)3月初めより発作性の咳 百日咳抗体提出中。
本日発作性の咳にてご夫婦が来院ご主人1ヶ月前から奥様1週間前からご主人より百日咳抗体提出中
そのお子様2名(小学生ワクチン接種済)最近咳しはじめたとのこと小児科受診を勧める。
昨年より下記のごとく33名の百日咳患者を診断しています。今年は昨年より立ち上がりが早いようです。
大きな流行となる可能性もありご注意ください。
当院における百日咳患者月別発生者数
2008年1月0・2月1・3月0・4月0・5月9・6月6・7月5・8月0・9月5・10月3・11月2・12月1
2009年1月0・2月0・3月1+3
参考文献
感染症情報センター 百日咳
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_36.html
| 百日咳抗体はどのようなケースで出していますか? 先生ご自身の基準は? |
| 当院では発作性の咳を認めた場合に発症10日以降に提出しています。昨年からそういった症例が増えた 印象があります。なお、参考のための当院における百日患者のまとめを下記に示します 当院百日咳31例のまとめ(診断基準は百日咳診断の目安(案)ver1 国立感染症研究所を使用) 年齢12-79歳 平均40歳 臨床症状 発作性の咳き込み 30/31例 >発作性の咳き込み患者33例中30例が抗体陽性 咳き込み時の嘔気 10/31例 咳き込み時の嘔吐 5/31例 咳き込み時の呼吸困難 12/31例 咳での起床(内ベネトリン吸入有効例) 7例(1例) 喀痰 14(内少々4例)/31例 発熱 6(すべて37度台最高37.6℃)/31例 合併症 肋骨骨折2例、心不全発症1例(肥大型心筋症あり) 血液検査 白血球数3600-10800 平均6461 CRP 0.0-2.2 平均0.37 リンパ球% 17-40% 平均32.3% 治療 抗生剤:クラリスorエリスロマイシン 2週間 ジスロマック常用量では再発例有 鎮咳剤:燐酸コディン系だけで改善する場合もあるが多くは改善不良、麦門冬湯の追加は効果有、 それでも治癒に数ヶ月かかる場合もある 百日咳診断の目安(案)ver1 国立感染症研究所 http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/337/graph/dt33771.gif |
| 非常に参考になります。 |
| 下記のように3名の百日咳患者を診断しています。 妊婦さんのご主人31歳男性(東浜株320倍・山口株80倍) 35歳男性(東浜株1280倍・山口株1280倍)妻・子供2人(弓削小学校児童)咳症状有 53歳男性(東浜株640倍・山口株320倍) |
| 百日咳流行時は乳幼児の夜の発作性の咳に注意を払う必要があります。 発作性に5分くらいの咳を時間を空けてくり返すという訴えがあれば 百日咳をうたがいます。 特に6か月未満は咳とともに無呼吸を伴うことがあり入院加療を 要します。 無呼吸は「何かを喉に詰めたみたいで背中を叩いたりしたらよくなりました」 という表現をされることがあります。 田中先生情報ありがとうございます |
| 薬をもらっていたが、3週間くらい咳が続くということで当医院に来院されました。症状としては 夜間の咳が強く、レプリーゼはありませんでした。父親もその前からずっと咳が続いているという ことでしたので百日咳も疑い、マクロライド処方の上検査をしておりました。 1週間で結果が出て、東浜株160倍、山口株40倍と三種混合未接種でこれだけの抗体 の上昇がみられました。現在レプリーゼは少し見られるものの、チアノーゼ、無呼吸もなく外来 で経過を見ています。父親は病院にかかっておられましたが、百日咳の検査はされておられま せんでした。熱がなく、鼻水も出ない咳の場合、乳幼児では百日咳も考慮してマクロライドの 投与が無難かもしれませんね。 田中先生の情報はとても貴重でした、ありがとうございました。 |
| いつもインフルエンザでは小児科の先生方の発生情報が内科医にとって非常に有益な情報となっています 今回百日咳患者のの情報がお役に立てたことはその恩を少しばかり返せたようで少しほっとしています。 ところで、百日咳は5類感染症定点把握疾患に定められ、福岡県でも小児科定点のみの情報が福岡県結核・ 感染症発生動向調査解析委員会 週 報に掲載されています。ところが、百日咳 2008年によれば累積報 告数の年齢群別割合をみると、0歳児、1歳児を中心とした乳幼児からの報告割合は年々低下がみられて いる一方で、小児科定点からの報告ではあるものの、20歳以上の報告割合は年々増加してきており、 2000年は2.2%であったものが、2007年には30.9%、そして2008年には36.7%に達した となっています。 今回の木下先生の症例は成人での流行がもっとも危険な乳幼児への感染へつながるものを示した症例と 考えます。 福岡県の百日咳患者報告を内科定点からを含めた報告へ移行してより多くの成人発生百日咳患者の情報を 拾い上げることで乳幼児の百日咳患者発見しやすくなるのではと考えます。 木下先生にはこの症例報告時近隣の成人発症情報がきっかけになったことならびに内科定点からの百日咳 患者報告の推奨を記載いただけたら幸いです。 百日咳 2008年 国立感染症研究所 感染症情報センター http://idsc.nih.go.jp/disease/pertussis/IDWR0903.html |
| 了解です。小児科のサーベイランスの報告書にその旨を記入しておきます。 |
| 田中先生へ 先週のサーベイランスの報告書に、先生が書かれてありましたように「同医師会の内科医からの 大人の百日咳の報告が、診断の手がかりとなったこと。乳幼児百日咳の拡大防止に内科系の サーベイランスの報告が重要である。」ということを、書いておりましたが、週報の報告では「周囲 成人が乳幼児への感染源になることに注意してください」という表現になっておりました。内科系 での百日咳の早期発見および乳幼児への感染予防の啓蒙がもっと必要かと考えます。田中先 生のような熱心な先生が当医師会にいらっしゃって、同地区の小児科医としてはとても助かってお ります。ありがとうございました。 |
| 追伸です。百日咳だった乳児の父親(25歳)の抗体価が本日分かりました。東浜株40倍、山口 株160倍で間違いありませんでした。 ご報告申し上げます。 |
| 木下先生ありがとうございます。 百日咳については静かに成人と小児で感染のキャッチボールがあっているように考えます。 サーベイランスには内科系の参加が必要と考えています。 今後もよろしくお願いいたします。 |
| 当院での百日患者は3月初め以来計8名(11名抗体測定)になっています。さらに3名提出中。 新たな患者は 30歳男性(東浜株160倍・山口株10倍) 48歳男性(東浜株40倍・山口株10倍) 抗体上昇は軽度ですが、奥様も少し遅れて発作性咳を認めており間違いないものと考えます。 子供さんはワクチン接種済みですが北野小学校学童で以前咳をしていたとのこと 90歳女性(東浜株40倍・山口株320倍) 54歳女性(東浜株1280倍・山口株1280倍) 北野小学校関連施設職員で2月初めより咳嗽、クラリス短期間内服中断・ジスロマック内服・麦門冬湯・ 鎮咳剤等にていったん症状軽快後再度咳の増悪を認めている。児童と密に接する職員で児童よりの感染が 疑われます。静かに小学校内で感染が広がっている可能性がありますので校医の先生には対応よろしく お願いいたします。(患者本人よりこのHPでの公開了解済みですが、職員への伝達の折は年齢性別開示 しないようにお願いいたします) |
| 百日咳とワクチンで検索したら上記の文献が出てきました。 ワクチン接種小児には有効期には百日咳は感染しないものと思っていましたが、感染するんですね。 症状がマスクされる分診断が困難で咳の持続時間が長くなるのは意外でした。 Author:牛田肇(JA愛知県厚生連江南厚生病院 こども医療センター)他 Source:日本小児科学会雑誌(0001-6543)112巻7号 Page1088-1093(2008.07) Abstract:小児百日咳72例を対象に、その実態、及び百日咳ジフテリア破傷風混合(DPT)ワクチン歴との 関係を検討した。1歳未満は22例(31%)で、特に3ヵ月未満児が1歳未満の36%(8例)を占めた。DPTワクチン 接種歴は未接種:32例(44%)、既接種:40例(56%)であった。百日咳菌分離率は未接種者:52%(15/29例)、既 接種者:26%(9/35例)であった。痙咳発作・笛声・咳込み嘔吐の発現率は未接種者:50%・25%・59%、既接 種者:48%・20%・28%であった。38%(27症例)にこれらの症状は認められず、未接種者:25%(8/32例)、既接 種者:48%(19/40例)であった。また、既接種者は未接種者よりも急性期の白血球数、リンパ球数は有意に 低値で、入院例も少なかったが、発症から初診までの期間、咳の持続期間は長かった。ワクチン既接種者 は症状や検査所見が修飾される傾向にあるが、乳児百日咳の予防にはDPT接種率の更なる向上、接種スケ ジュールの見直しが必要だと思われた。 全文を見てみたいのでお持ちの先生にはコピーをいただけたら幸いです。 |
| この記事を拝見して、私の方でも、少し長引く咳症状の患者さんに百日咳抗体検査を行ってみました。 その結果、この2週間で8名の方に検査を行い、そのうち6名の方が陽性でした!! 年齢は7歳〜27歳です。いずれも、それ程ひどい咳では無く、発熱も殆ど無く、重症感もあまりありません。 百日咳のことが頭に無いと、先ず検査はしないと思います。 今回の田中泰之先生の情報には大変助けられました。 誠に有難うございました。 |
| 昨年より百日咳抗体陽性患者を多数認めたためこの抗体価がどう推移しているか、1名の患者に11ヵ月後 3名の患者に約6ヵ月後の抗体かを測定したところ下記のごとく高値を維持していました。 51歳男性 東浜株/山口株 08.5:1280/1280>09.4:1280/320 32歳男性 東浜株/山口株 08.10:160/80>09.4:320/320 38歳女性 東浜株/山口株 08.10:40/<10 >09.4:80/<10 49歳女性 東浜株/山口株 08.9:20/40>09.4:40/160 さらに当院で検診をおこなったとくに個々1年咳の既往のない11名のグループホーム職員に抗体価測定を おこなったところ陰性はわずかに3名で1280倍を示したものも4名も存在しました。 筑後地区は以前より百日咳の流行地区である可能性と、百日咳の抗体価は長時間維持されるため確定診断 にはペア血清での抗体価上昇が必要なことを示していると思われます。 |
| 診断基準に問題があるのではないでしょうか。国立研究所の診断基準(案)では、単血清で東浜株 (ワクチン株)もしくは山口株(流行株)のいずれかが40倍以上となっていますが、小児科呼吸器感 染症ガイドラインでは、三種混合ワクチン接種済みの場合、山口株(流行株)が単独で320倍以上、 もしくは流行株(山口株)/ワクチン株(東浜株)が4倍以上、ペア血清で流行株(山口株)が4倍以 上となっておりかなり診断基準の相違があるようです。東浜株のみの単独40倍は診断基準から外れ ます。このガイドラインも(案)となっておりますのでどれが正しいかは分かりませんが、単独血清でのとくに ワクチン株の上昇のみでの診断はあやしいかもしれません。したがって、先生がご指摘されているように、 成人ではとくにペア血清が必要かと思われますね。 |
| 確かに流行地区あるいは過去に流行があった地区での診断基準にはそぐわないものだと考えます。 百日咳の診断としては臨床診断が中心となるわけですが、初期治療を逃すと100日近い咳嗽期間 となり、確定診断のないまま治療を続けるのは不安なのでペア血清を測定することを積極的に考慮 すべきかと考えています。 また、これだけ抗体価の上昇がみられることは百日咳の水面下での流行を示す可能性高く、3種混 合ワクチン接種ならびに咳出現時のマクロライド系薬剤の使用は勧めていくべきものかなと思って います。 百日咳診断の目安2008(案)ver1 http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/337/graph/dt33771.gif 臨床診断:臨床症状は該当するが、実験室診断はいずれも該当しない 臨床症状 14日以上の咳があり、かつ下記症状を1つ以上伴う 1.発作性の咳き込み 2.吸気性笛声(whoop) 3.咳き込み後の嘔吐 |
| 生データ参考になります。 |