診療情報の提供に関する研修会報告

12月20日(金)19:00〜中小企業振興センター(福岡)
講師 九州大学大学院医学系研究科 医療システム学 前田正一

演題 事故はゼロに出来ないが紛争はゼロにできる。
   −医療事故に伴う法的責任と事故の早期解決の意義−
 要旨  患者のためにも、医療者のためにも、事故を紛争・訴訟化させてはならない。そのためには、医療機関や医療従事者は、即座に適切な対応をし、事故を早急に処理しなければならない。
  事故のその後を決定するもの・事故への対応
1・事故現場の固定
  患者への対応を第一にするが、それ以外は、現場を固定する。
  エンピツ一本動かさない。

2・事故状況の把握のための作業を即座に始める。
  他人の意見に影響されないうちに、事故に関係した医療スタッフから個別に状況を聴取する。
  薬剤の成分分析等の作業も同時に始める。

3・確定された事実に基づく原因の究明を出来るだけ早急に。
  院内での検討会の開催、原因究明に時間を要する場合は、その必要性を説明する。
  事故に真摯に向き合うメッセージを送ることが重要である。
  責任の所在を明確化させても、個人を責めてはならない。

4・明らかにされた原因の説明、場合によっては謝罪
  1)検討の結果、医療行為に過失がなかった場合
    真摯な態度での事実の十分な説明。
  2)検討の結果、医療行為に過失があった場合
    即座の謝罪。事故を起こした医療者にも求める。

5・再発防止の約束と取り組み
  今回の事故を決して無駄にしないことの約束。
  再発防止の取り組み。

金銭的賠償はその後のことである。
事故への対応の遅れ、カルテの改竄、事情説明の内容が変わる等が紛争化する誘因になる。