一 年 を 振 り 返 っ て
小郡市 西原 貫二

 御陰様で今年還暦を迎え、医師会とゴルフ同好会から粗品を頂きました。これも東洋の楽園、日本に生まれた為に、何とか60歳を越せたものと感謝しています。間違ってアフリカのコンゴあたりに生を受けておれば、エボラ熱か内戦で、ジャングルの土となっていたでしょう。我が家では、赤いちゃんちゃんこを着せられ、大黒さんのような帽子をかぶせられ、笑われながら写真に収まりました。91歳になられる日野原重明先生は75歳からの高齢者を「新老人」と呼んで、気合いを入れようと提唱されています。そうなると、60歳なんてまだまだ使い走りで、還暦は死語になりそうです。小学校・中学校の同級生の半分以上は、もう年金暮らしをはじめています。世の中よく出来ていて、頑張りたくても肉体が休みたがっているし、仕事もちゃんと自然に少なくなっている。医師の定年制を実感させられます。
 さて、今年を振り返ると、世界的に目まぐるしく変動し、あまりに想像を絶する事件が次々に発生しているので、濁りきった泥水に巻き込まれ音もなく流されているような、変な感覚になっています。いわゆる倫理を忘れてエゴを全面に押しだし、死にものぐるいでせめぎ合っているように見える。一体誰が澄んだ冷徹な目で世の中を見据え、今からどうなるのか、どうすれば良いのか言えるでしょうか。僕の小さな老眼では3メートル位の前しか見えません。となると、子供達はあてにはなりませんから、不思議な緑で知り合った、いとしの奥さんと仲良くする以外、よい生き方を知りません。と言うことで、今年の5月の連休に、医師会の同年代の夫婦4組8人でお伊勢参りに出かけました。2泊3日の道中で、医療界の話題はほとんどなく、もっぱら男と女の話が多く、まだまだ枯れてはいないようでした。伊勢神宮では宇宙と地球と世界の平和を祈願しましたが、世界が平和になれば、周り回って自分達も幸せになるという単純な発想です。今や神々も家内安全や交通安全祈願など、忙しくて聞く耳はないでしょう。
 今年、小郡三井医師会は若返り、丸山新会長の下で数々の改革が行われ、頼もしい限りです。しかし新執行部が自民党推薦の超若い荒巻隆三候補を熱烈に支援して、見事当選の一翼を担ったのは、本当に驚きました。福岡6区の医師会の盛り上がりは、一体どうしたことでしょう。僕も選挙はなぜか好きで、例年通り患者さんに電話をかけたりして、それなりの感触はあったが、まさか当選するとは。というのも、実は医師会員の選挙に対する気持ちが萎えていて、早晩自主投票になり、自民党への献金も中止の方向でいくと、肌で感じていたのですが。肌はあてになりませんでした。荒巻議員には目先の事には惑わされず、50年・60年後の世界を見据えて勉強してもらいたい。
 巨人の対西武4連勝も驚きました。この件はこれで終わり。今日寝て明日起きたらまた今日が始まる。そして何時かはこの世にバイバイですが、長生きはしたいですね。その訳は、まだ日本医師会医師年金を貰っていないからです。それと禅の鈴木大拙先生が96歳の時、その年に成らないと判らない事があると話されたとか。それが楽しい事か苦しい事か、または霊的な気分なのかは想像出来ないが、経験してみたいなあ。