|
小郡市 松隈 孝則 私は有床診療所(産婦人科)を開設して17年余となりました。今回は、朝礼に関しまして、浅学非才の身ながら、17年間の経験を述べることにより、寄稿の責を果たしたいと考えます。
当院は病床10床ではありますが、満床のことは珍しく、4名から8名くらいの入院中の患者様がいます。ただし、出産に関連した入院がほとんどであり、当然ベビーの動静も重要になります。スタッフは、受付2名・厨房3名・看護13名、すべて女性です。
全員が毎日揃うわけではありませんが、当日勤務のスタッフは全員が出席して毎朝始業前に、朝礼(院内スタッフミーティング)を17年間実行して参りました。8時30分には、制服に更衣し、10分間は全員で清掃作業・始業準備を行います。その後、厨房スタッフも受付スタッフも全員揃っての朝礼です。どちらの病院でも朝礼は当たり前のことでしょう
が、産科の場合には前日の外来終業から朝までにはいろいろなことが起こり得ます。出産・緊急帝王切開・ベビーの状態悪化による転院・外来急患など。それらの変化を、看護スタッフのみならず、院内の全員に同じ内容を周知させることを第一の目的としています。
第二には、当日の予定や最近の医療情報の通達、そして第三には当日退院される患者様からのメッセージの披露です。このメッセージは、退院が決まった時点で(退院2日前ころに)、入院中に感じられたことを一枚の規定用紙に記入していただいています。施設上の問題などの指摘を受けることもあります。記載文はすべて保存し、当日欠席していたスタッフも後日閲覧できるようにしています。この間題点のご指摘こそ、私どもが気づいていないところを患者様の視点でのチェックを受ける意味で大切なことだと思います。この17年間にも、いろいろな改善を行うきっかけになりました。また、出産を終えた感動のことばあり、出産に際してていねいな看護をしてくれたナースへの感謝のことばあり、食事内容についての厨房へのご意見もあり、受付の対応におほめのことばをいただくこともあり、このようなお礼のことばを全員が感じることも、スタッフとしては励みになることでしょう。厨房への『食事おいしかったですよ‥‥‥』という一行が、調理を預かるスタッフをどれほど激励してくれることでしょう。
しかし、この朝礼も楽しいムードばかりではありません。前日にもしスタッフのミスが起こったとします。そのミスが個人的なことであった としても、そのミスを全員が周知することにより、明日はわが身か、と慎重を期す材料にしたり、さらに構造上ミスを起こしやすい状態であればすぐに改善策を企画する、という前向きの方向性を持った朝礼でもあります。
産科の開業医医療はスタッフの協力なしでは到底できません。そのスタッフのこころをひとつにして、今日一日を、患者様のためにそして自分自身のために踏み出す第一歩こそが、この全員参加の朝礼といえましょう。
|