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渡 辺 正 俊 (小郡三井)
このテーマに関してはすでに日医雑誌,県医報などでも取り上げられており,いまさらという気がしないでもないが,10月からは老人の1−2割負担,外総診の廃止,さらに来年には,保健本人の3割負担が予定されていることを考えると,このまま手をこまねいている訳にはいかない.
ところで今回の改定でもっとも問題となったのは初のマイナス改定となったことだろう.しかしながら私個人の考えから言えば,今の日本の現状を考えるとこれはある程度やむをえないだろう.
ここで例年のごとく診察報酬のupをごり押しすれば,日医は国民の総反発を受けて孤立し,厚生労働省の思うツポとなるのは必至である.
そこでこの際多少のdownを受け入れる代わりに,医師として誇りを持って診療できるように内容の改善を図るべきである.
今の診療報酬の内容では自分が医師というよりは何だか小売業者になったような気がする.そこで以下ぜひ改善して欲しい点をいくつか上げる.
1.改正は5年に1度
今のように毎年のように改正が行われれば,これにかかわる費用と時間は膨大なものとなる.レセコンのソフト代一つをとってみてもバカにならない.それに外総診を廃止すると思えば,一方では生活習慣病指導料を新設するなど一貫性がない.改正は最低でも5年に1度で充分だし,またそれに耐えられるような改正をすべきである.
2.点数計算の簡略化
いったい今のような複雑怪奇な点数計算を理解している人が何人いるだろうか?改正のたびにぶ厚い本が送られてくるが,わかりにくい文章のせいもあって,最初から読む気がしない.
種々の指導料や判断料,再診回数による減額など患者の立場から考えれば納得できないことも多くある.
ここは思いきってこれらのものを統合,廃止し,もっとシンプルでわかりやすいものにしてもらいたい.
3.薬価差
改正のたびに薬価差を理由に技術料などのupが見送られることが多いし,マスコミに不当にたたかれる原因となっている.それに現実には国立大学などの大病院を除けば,我々のような小さな診療所では消費税を考慮に入れれば薬価差などは微々たるものである.この際国の管理課の下で薬価差をなくし,代わりに技術料のupを図るべきである.そうすれば薬の値段がいくらになろうと我々とは何ら関係ないことだし,面倒な値引き交渉をしなくて済む.
いずれにしても製薬会社は儲けすぎである.
4.レセプト審査
これは今回の改正とは直接関係はないが,国の指導でぜひ改めてもらいたいことなのでここに書いておく.
支払い側では一度審査の済んだレセプトを外部の業者に委託して再点検しているが,歩合制のため多くチェックすればするほど業者の儲けになるらしく,時に目にあまるチェックが行われることがある.ことに21点ルールが廃止されてからはさらに厳しくなり,いきおいこちらも対抗上多くの病名をレセプトに書かざるを得なくなっている.
そもそも審査員の先生方が一度パスしたレセプトを,どのような資格でまた誰ともわからないものが再点検して数カ月,時には半年近く経って返戻してくるのは失礼な事だと思う.おまけにこちらから再審査を要請しても,結果が出るまでにさらに数カ月もかかる.
再点検するのは結構だが,それならそれで支払い側はある程度医学的知識を持った優秀なスタッフをもっと多く揃えて迅速な処理を心がけるべきであろう.
目にあまる違法行為は厳しくチェックするのは当然であるが,患者の利益を考えれば,あまり杓子定規にならずに,もう少し医師の裁量というものを認めてもよいのではなかろうか.
以上思いつくままにいろいろ書き連ねてきたが,考えてみればどんなにりっぱな意見を書いたからといって,この特集が一般の人々の目に触れることはほとんどなく,単に内輪のボヤキに過ぎない.これは日医雑誌などでも同じ事である.
一方,厚生労働省の方ではマスコミを通じた情報操作により医師,ことに開業医の姿を不当に歪め,国民との解離を図って医師会を自らの管理課に置こうとしている.
このような事を考えると,日医は国民の理解を得るために,もっと金をかけた宣伝をおこなう必要がある.
それと今まで何十年にわたって特定の政党や政治家を盲目的に支持し,莫大な献金をおこなってきたが,そろそろこのような政治活動は見直す時期であろう.ことに最近ではあまりメリットもなさそうであるし,国民の誤解を受けるもとである.
政治家につぎ込む金の半分でもマスコミを通じた宣伝活動や,直接国民の利益になるような事に使った方が有意義であろう.
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