|
浦江 美由紀(小郡三井) 参議院選挙が終わりしばらく国政選挙がない空白の期間が訪れます.衆議院の解散がいつ行われるかは定かではありませんが,おおむね3年間ほど選挙がないというきわめて特殊な時期を迎えます.そこで厚生労働族有力議員の弁(実際に話されたかどうかは知りません,空耳の可能性も),「今年の診療報酬改定は参院選がらみでまだ何とかなったが,2年後は思い切った大鉈が振るわれることは間違いないだろう.診療所はまだしも民間病院は大変なことになるんじゃないかな.来年の介護報酬改定も同様に思い切った改定になると思うよ」.その理由は冒頭のようにきわめて特殊な時期であり,この時期をのがすとしばらく大鉈はふるえないのでかならずそうなるとのこと.年金の例を挙げるまでもなく,この国の医療・介護・福祉政策をどのようにするかのグランドデザインを示した上での改革をしていただかないと,政局がらみで改定が行われるのはいかがなものかと思います.現在は費用対効果で世界一の医療制度ですが,このままではその地位も危うくなりそうな気がします. わが国の医療制度は前述のとおり世界に冠たる良い制度であることは確かな事実だと思いますが,一方で財政上現行の制度維持が困難になってきていること,また政策の変更で医療機関運営のあり方が大きく変わらざるを得ないのも事実だと思います.そこで日医新執行部に望むことですが,従来実施されてきた様に政府の方針に意見を述べて修正を求めるのではなく,自らがこの国の医療・福祉政策に関するグランドデザインをより明確に持ち,その裏づけとなる研究,情報収集・分析を国内外の機関の協力を得てより強力に実施し,政治的影響力による政策への関与だけではなく,実質的に医療福祉政策に関しては日医の協力が必須という状況構築が必要ではないかと思います.例えば国際医療経済研究を本格的に実施するだけでも,わが国と比較して各国の医療制度・政策の良し悪しは明らかとなり,わが国の良い点はそのままにし,遅れている点を改善するにはどうすればよいかが明らかとなってくるでしょうし,前述したコストパフォーマンスの国際的優位性に関してもより明確になるものと思われます.現行制度は確かに優れていますが,国の財政が有限であることも事実であり,経済に視点をおいた研究,分析,政策立案の方向性をより強固に確立する必要性があると思います.
|