質問コーナーに寄せられた「医療・診療」のご質問回答集です。
※質問をクリックすると回答が表示します。
以前、硬膜下血腫の説明を受けたとき、「CTでは硬膜下血腫とは判断できるが、急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫の急性増悪はどちらともいえる。」CTでは起きていた病態はどちらであるかの判断はできないのでしょうか。CTで慢性硬膜下血腫の判断はできるのに慢性硬膜下血腫の急性増悪は判断できないのでしょうか。
慢性硬膜下血腫は比較的軽い頭の外傷を受けて1~2ヶ月してゆっくりとたまってきますので激しい症状は少なく、頭痛やふらつき、軽い片麻痺、ぼけ症状などで発症することが多いです。この病気は高齢者ほど合併しやすいので気をつける必要があります。脳外科の手術は容易なほうで血腫が排除できれば後遺症の心配も少ないです。問題は経過観察中に血腫が急に増加し意識障害などの危険な症状が出たときです。これは慢性硬膜下血腫の急性増悪といえます。緊急手術となりますが血腫除去ができれば結果は意外と良いことが多いです。これに反し急性硬膜下血腫は強い頭部外傷によるもので受症直後から意識が悪いことが多く手術しても死亡率が高い病気です。以上から最初にどのような外傷を受けたかなどの詳しい病歴とCTやMRIの所見で、判断可能だろうと思われます。(回答:脳神経外科医師より)