一般社団法人 小郡三井医師会

回答集

質問コーナーに寄せられた「医療・診療」のご質問回答集です。
※質問をクリックすると回答が表示します。

きっちりとした性格の叔父(72歳)が、5月の入院(胃のポリープ切除)を境におかしくなっています。道路を横断する時は、≪右・左・右。もいっぺん左≫を見てから渡るような人でした。≪石橋を叩き過ぎというくらいまで叩い て渡る≫人でした。それが、赤信号でも渡ってしまい、 「叔父ちゃん赤だよ」というと、 「ん?そうやったかな?」と返事する・・・。
今は、なにをやっても中途半端で、叔母にまかせっきり。少し前までは、自分で、納得するまでやらないと気が済まなかったのに。叔母も、私も、≪痴呆≫ということは、信じたくないけれど、もしかしたら…?という気持ちでいっ ぱいです。
検査をしてもらったほうが良いでしょうか?でも、もし、「アルツハイマーです」などと診断されたら、叔父の性格上、余計に悩んでしまい、尚更ひどくなってしまいそうです。怖い。
だけど、やっぱり、病名が分かった方が、症状や、治療法(リハビリ?)などもあり、痴呆を進行させないためには良さそうな気がします。素人的な考えですみません。どうしたらよいか教えてください。

ひとくちで痴呆といってもその原因はいろいろなものがあります。

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で発症する「脳血管性痴呆」と脳神経細胞が減少して脳が病的に萎縮して起こる「アルツハイマー型痴呆」が老年期痴呆の2大原因と言われていますが、その他にも頭部外傷後に血がたまる硬膜下血腫や内分泌疾患によって起こるホルモン異常、重症の肝臓病や腎臓病などがあげられます。
また、痴呆の診断は、小さな日常の変化を把握することが大切ですので、本人のことをよく理解しているかかりつけの医師がおられましたら相談してみましょう。
それ以外では〔精神神経科〕〔神経科〕〔脳神経外科〕などの専門病院や最近では〔物忘れ外来〕などの名前を付けた外来もありますので、そちらで診てもらうのも良いでしょう。
しかし普段、馴染みのない診療科に初めて受診することは患者さんにとっても御家族にとっても非常に勇気のいることでしょう。もし診察を受けることに対してためらいがあるなら、まずは先程述べましたようにかかりつけの医療機関、あるいは保健所、市町村の高齢福祉課、在宅介護支援センターに相談するのもひとつの方法です。
(回答:某精神科医)

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