
- 子宮頸がんワクチンは受けるべきでしょうか?
- 投稿者:松隈産婦人科クリニック 松隈 孝則
以下
子宮頸がんワクチン:ワクチンと略
ヒトピローマウィルス:HPVと略
10代でまだ性交渉の経験が無い方は、ワクチンの接種が強く推奨されています。
特に小学校6年生から高校1年生相当の女子は原則、公費による無料接種の対象です。
HPVへの感染は性交渉をきっかけに起こりますが、未感染の時期はワクチン接種による予防効果が高いとされ、将来的な子宮頸がん発症リスクを大きく減少させるという、エビデンスがあります。世界的にもこの年齢層でのワクチン接種が効果的とする報告が多く存在します。
ワクチンには主に未感染のHPV型に対する免疫を作ることを目的としているため、既に感染しているHPV型への効果は乏しいとされています。一方、他のHPV型への新たな感染を予防するという意味では、接種の意義はじゅうぶんすぎるほどです。HPVは子宮頸がんの最大の原因とされています。このウィルスは主に性交渉を通じて感染するものであり、性交渉を一度も経験したことが無い方を除けば、多くの女性が生涯のうちに一度は感染するといわれています。
HPVには100種類以上の型がありその中でもがん発症リスクが特に高い『高リスク型』が存在します。従って、『高リスク型』をカバーする、4価あるいは9価ワクチンが推奨されるわけです。
HPV感染の多くは自然に消失しますが、一部が子宮頸部にとどまり、それらが前がん状態となり、その後にがんへ進行する場合があります。前がん状態で発見するためには、子宮頸がん検診を受けることが必要です。
ワクチンの副反応の主なものは、注射部位の腫れや一時的な倦怠感などが一般的です。
このワクチンに限らず、他のワクチンでも副反応やアレルギー反応が生じ得ることも報告されていますが、安全性に関する大規模調査により、このワクチンの安全性を厚生労働省も繰り返し評価しています。イギリスやオーストラリア、北欧諸国などでは、ワクチン接種率が80%以上と非常に高く、子宮頸がんや前がん病変の発症率も大幅に減少しているという報告も多数あります。このような報告は、接種率が極端に低い日本でのワクチン普及の重要性を考える上で参考になることでしょう。
判断に迷った時や不安が残る場合は、婦人科医にご相談されることをおすすめします。
適切な情報とアドバイスを基に、ご自身の健康を守る適切な選択につなげてください。

令和8年9月