一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

古川整形外科医院 院長 古川 泰之

  • 爪周囲炎(爪及び爪周囲の化膿)について
  • 投稿者:古川整形外科医院 院長 古川 泰之

打撲や刺し傷などによっておこることもあるが“さかむけ”や深爪からなることが多く、注意していればかなり避けることができる。

小児では指しゃぶり、爪噛みでなることもある。

親指、人差し指に多く、爪の横が赤く腫れて熱をもちズキズキと痛む。

たいていは膿が溜まり、皮膚の下の膿が透けて見えるようになる。

(中には膿が溜まらないことがある)

ひどくなると周囲に化膿が拡大し、爪の下に膿が溜まることもある。

また化膿が指の腹側に及ぶとさらに痛みが増し、ときには骨まで化膿する。

起因菌は黄色ブドウ球菌が多いが、MRSA,プロテウスや口腔内細菌のこともある。

ウイルスによるものや皮膚病から似たような状態になることもある。

治療は炎症を引かせるように患部の安静、冷却、鎮痛剤、抗生物質(ごく軽度であれば抗生物質入り軟膏が効くことがあるが普通は内服薬、ひどければ点滴)が必要です。

膿が溜まれば(必要なら麻酔をして)皮膚切開を加え十分に排膿し、膿を細菌検査に出す、ドレーンを入れた後つけかえをする。(化膿がおさまれば傷は自然にふさがる)

爪の下に膿瘍があれば爪に穴を開けて排膿する。

進行すると痛みがひどくなるし治るまでに時間もかかる。

指に上記のような症状がおこったら、揉んだりしない!温めない!むしろ冷やす!ひどくならないうちに早く受診することが大切です。

予防のためには“さかむけ”を毟ったり引っ張ったり歯で噛み切ったりしない、指しゃぶりや爪噛みをしないことが肝要です。

 

令和元年12月

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