- 安心して健やかに暮らすために ~「かかりつけ医」を持ちましょう~
- 投稿者:嶋田病院 院長 島田 幸典
地域の皆様、こんにちは。
平均寿命が延び、人生100年時代を迎えたいま、私たちは誰もが長く健やかに過ごしたいと願っています。しかし同時に、年齢を重ねるにつれて、体の変化を感じたり、健康への不安を覚えたりする機会も増えてまいります。病気になっても、あるいは病気にならないように、どのように医療と関わっていくかがますます重要になっています。
そこで、皆様にぜひお勧めしたいのが、「かかりつけ医」を持つことです。
「かかりつけ医」とは、単に体の具合が悪くなった時に診てもらう近所の先生、というだけではありません。私は「かかりつけ医」を、身近にあって、何でも相談できる、地域医療の中核となる医師であると考えます。
これはつまり、あなたの健康状態や、これまでの病歴、服用しているお薬、さらにはご自身の生活習慣や家族構成といった背景までをよく理解し、長期にわたって継続的にあなたの健康をサポートしてくれる、最も身近な医療のパートナーと言えます。
年齢を重ねるにつれて、体のあちこちに不調を感じやすくなったり、複数の病気を抱えることが増えたりする方もいらっしゃいます。また、健康に関する不安や疑問も増えるかもしれません。このような、加齢に伴う様々な体の変化や健康の課題に対応していく上で、「かかりつけ医」がいることのメリットは非常に大きいのです。
1.あなたの体のことを一番よく理解してくれる: 普段から診てもらっている医師なら、あなたのちょっとした変化にも気づきやすく、病気の早期発見につながります。
2.複数の病気や薬をまとめて管理: 複数の医療機関にかかっている場合でも、かかりつけ医が一元的に情報を把握し、薬の飲み合わせなども含めて適切に管理してくれます。
3.病気になる前から相談できる: 健康診断の結果について相談したり、生活習慣病の予防についてアドバイスを受けたりすることで、病気になるリスクを減らすことができます。
4.専門医や病院との連携がスムーズ: もし専門的な検査や治療が必要になった場合でも、あなたの状態をよく知っているかかりつけ医が、適切な専門医や病院を紹介してくれます。これにより、たらい回しになることなく、スムーズに専門医療へアクセスできます。
5.将来の医療やケアについても話し合える: 人生の最終段階における医療やケアについて、元気なうちから信頼できる医師と話し合っておくことで、ご自身やご家族の意思に基づいた希望を伝えやすくなります。
6.何よりも安心感: ちょっとした体の不調や健康の不安など、気軽に相談できる相手がいるということは、日々の暮らしにおいて大きな安心感につながります。
「かかりつけ医」は、病気の時だけでなく、病気にならないための予防、そして健康を維持するための心強い味方です。
まだ「かかりつけ医」をお持ちでない方も、この機会にぜひ、お住まいの地域で「この先生になら何でも話せるな」「信頼できるな」と思える医師を見つけ、定期的に受診したり、健康相談をしたりすることをお勧めします。
皆様が「かかりつけ医」とともに、いつまでも健やかに、安心して地域で暮らし続けられるよう、願っております。
令和7年7月