一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 女性のための予防医学
  • 投稿者:松尾医院 院長 浦江 美由紀

 我が国の主要死因の順位は、第一位が悪性腫瘍、次いで心疾患、脳血管疾患です。これらの死亡率はいずれも男性が女性の約2倍と高く、女性がそれだけ疾患発症から免れ長生きしていることが特徴です。
女性の悪性腫瘍では、大腸癌、胃癌が数の上では多いですが、乳癌、子宮癌が女性特有の腫瘍です。

1.乳癌
 乳癌の特徴は、40~50歳代の女性に多くみられることです。この年代層では、胃癌の約3倍のリスクがあり、またこの20年間で約2倍に増加しています。増悪因子として、未産婦、高齢初産、早い初潮、遅い閉経、家族歴が挙げられています。マンモグラフィが有用と判断されています。

2.子宮癌
 A)子宮頚癌
 頚癌の発生率は、高齢者では減少していますが、逆に20~30歳代の若年層では約2~4倍に増加しています。これは、頚癌はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与しており、高齢になるほど多くなる他の癌と違って、性生活が活発な若い年代での感染の機会が増えているためといわれています。
頚癌は検診が非常に有用で、進行癌を防ぎ死亡を減らす効果が証明されています。
最近HPVのワクチンが出来、医療機関で予防接種が出来ます。
 B)子宮体癌
 50~60歳代の閉経以降にリスクが高くなります。ホルモン補充療法を受けた方、子宮内膜増殖症のある方、妊娠や出産の経験がないこと、肥満、高血圧、糖尿病がリスクとなります。症状は不正性器出血で、ほぼ90%に見られます。更年期および閉経後に認める不正性器出血は、少量あるいは一時的でも重要な症状なので、適切な検査を行う必要があり、婦人科を受診してください。

3.心血管疾患
 女性は男性に比して、動脈硬化の加齢変化が約10年遅れて進行します。しかし閉経後はこの男女差も縮まります。そればかりか、高齢女性がいったん心血管疾患に罹病すると男性より重症化しやすく、予後が悪いといわれています。女性は85歳以上で心血管疾患が死因のトップです。定期的な血液検査(糖尿、高脂血症、高コレステロール血症の予防)血圧測定など心がけましょう。

平成22年10月

PAGE TOP