一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

上野整形外科医院 院長 上野博章

  • 扁平足障害と足底板
  • 投稿者:上野整形外科医院 院長 上野博章

 足の形は内側に縦のアーチがあり、前足部には横のアーチがある。荷重時には、踵と前足部の内側と外側の三点に体重の負荷がかかる。何らかの原因で土踏まずが低下して支持のバランスがくずれると、足首がふらついて片足で立つことが困難になる。その時、足の内側がふくらんで突出し、外側は浮いてくる。これが扁平足である。無理に立っていようとすると、脛(スネ)の外側の筋肉(前脛骨筋)がピクピクとして土踏まずを持ち上げようとする。同時に、他の筋肉がピクピクすることもある。結果として、扁平足での立位保持及び歩行が長時間になると、ふくらはぎの筋肉疲労が出て硬ばりとなる。筋肉疲労は、ふくらはぎにとどまらず太もも、殿部さらに腰部にまで及ぶことがある。   
また、扁平足と合併するのが開張足といって、足の趾のつけ根の関節の部分の横のアーチが平坦化して、タコが出きたり痛みが出たりする。
 最近、健康増進のためにウォーキング、ジョギングがすすめられているが、痛みのある足ではかばって膝などに負担がかかって、長時間の歩行が困難になることもある。痛みのない下肢でしっかり体重を支えられることが重要である。
そのためには、下肢全体の筋力強化(扁平足では足の趾の屈曲運動)、足底板(アーチを支える)の使用が有効である。もちろん肥満及び不適合の靴(ヒール、先細りは外反母趾にもなる)は避けるべきである。

平成25年12月

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