一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 鼻を大切に
  • 投稿者:萩尾耳鼻咽喉科医院 院長 萩尾 良介

鼻はほとんどの哺乳類の顔の中央にあって最先端に位置しています。つまり、それだけ重要でいろいろな役目を持っているということです。
その主なものとして
①嗅覚
野生動物では獲物をとるときや、危険の感知、異性との出会い等、耳や目より重要なセンサーやレーダー の役目を持つこともあり ます。嗅覚は特に犬が敏感であることは知られていますが、人にとっても異臭や悪臭で危険を感知したり、良い香りを感じ味覚を 増強して食生活を豊かにします。
②鼻呼吸
呼吸は口からもできますが、鼻呼吸が正常です。まず鼻から息を吸うと、外気の中のゴミが、鼻入孔部にある鼻毛で取り除かれ (フィルターの機能)湿った鼻の粘膜に小さなゴミをくっつけて取り除きます。3層に別れた気道で加湿、加温(エアコンの機能)して 体に適した状態で咽から気管そして肺へ送られます。
③耳の気圧の調整(耳管の機能)
山へ登った時耳がキーンとなって聞こえにくくなることがありますが、つばを飲み込んだり、鼻をとると回復します。此れは鼓膜の 外側の外気圧と体内の気圧差を調整したことによって、同じ圧力に戻ったからです。この機能が故障すると水にもぐったり、高い 山に行く時支障をきたします。
④鼻涙管
泣いた時に急に鼻声になったり、涙が鼻汁と一緒に流れてきます。此れは鼻涙管と云う目と鼻をつなぐ管を通って涙が流れて来た ものです。(目しゅる鼻しゅる)
⑤鼻
風邪で鼻が詰まった時(鼻声)や泣いてる時(涙声)、また鼻をつまんで話すと声が変わります。
声は肺から押しだされた空気が、咽の奥の声帯を振動させ作られ、咽や鼻の壁を共鳴させて、人それぞれの特徴ある話声とな ります。(特にマ行、ナ行、カ行の音が鼻と関係が強いようです。)

以上のような重要な役目を持つ鼻を、子供の時から清潔に保つ事を習慣付けましょう。

一番大切な事は「鼻のとり方」です。鼻汁をとる時には、両手でチリ紙を持ち一方の鼻を押さえて(あまり強くとらないように)、「フン・フン」と はぎれ良く2回に分けてとってください。強くとると耳管の方へ鼻汁が行き滲出性耳炎や急性中耳炎になることも あります。
鼻毛は抜かずに、切りそろえた方が良いかと思います。鼻をとった後、チリ紙で鼻の中をいじるのは、粘膜を傷つけて鼻の入口のおできや鼻出血の原因となります。鼻をきちんととると、急性中耳炎 や副鼻腔炎(蓄膿症)を予防することができます。

平成18年11月

PAGE TOP