一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 検診はあなた自身の車検です
  • 投稿者:黒岩医院 院長 黒岩 達

長寿大国日本
厚生労働省の発表によると、2000年の日本人の平均寿命は女性:84.62歳男性:76.64歳ともに過去最高で、女性・男性いずれも世界第1位となりました。しかし100年前には、男・女いずれも寿命は45歳程度でしたので、この100年間で女性は約40年、寿命が延びたことになります。
わが国がこのような長寿国になったのは、科学の進歩と生活の近代化(機械、化学、食事、ライフスタイルなど)によるものと考えられますが、一方では、以前は少なかった生活習慣病(特に糖尿病、高脂血症)が増加していることも事実です。

予防可能な日本人の主死因
日本人の主な死亡原因を見ると…

1位…悪性新生物(ガン、肉腫、白血病など)
2位…脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)
3位…虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)

しかしこれらは一部の例外を除くと、ほとんどが中年以降に発病する病気です。これらの病気を見ますと、ガンは早期に発見されれば完全に治癒するものも多く、加齢とともに増加する生活習慣病(糖尿病・高脂血症・高血圧)に対して適切な治療をすれば、これらが引き起こす脳梗塞・心筋梗塞・脳出血などの予防も可能です。
以上、早い時期に自分では気づかない体の異常・変調を発見しこれに対処すれば、主な大病は十分に予防・回避できるものばかりです。

病気は静かに忍び寄る

ガンをはじめ、高血圧、糖尿病、高脂血症はいずれもその初期では無症状でしかも、その無症状の期間はかなり永く続くのが普通です。
何らかの症状に気づいた時(自覚症状がハッキリした時)には、病気の始まりからすでにかなり時間が経ち、病気が進んでいることが多いものです。

定期検診
職場検診、住民検診、老人検診、一般検診といろんな形で検診は実施されています。会社に勤めている人は、会社が口やかましく受診を奨めますので、ほとんどの人が検診を受けます。 市町村が行う住民検診・老人検診は、会社勤めをしていない人や70歳以上の人が受けられる検診ですが、なかなかみんなの人が受けないことが大きな問題です。自分では健康だと思っていても、本当に健康な状態なのか再確認のためにも検診は役立ちます。

平成12年度 小郡市の検診受診状況  (小郡市健康課より)

住民検診 (40~69歳) 45.9% (4231人/9218人)
老人検診 (70歳以上) 53.4% (2670人/5000人)

車検は受けましたか?
車は1~2年毎に車検をうけないと一般道で走れません。(新車の場合は初回のみ3年目もある)みなさんも、車の調子の良し悪しに関係なく、毎回受けてあるはずです。初回登録から10年を過ぎると、どんな車も毎年車検を受けないと走れません。また、どんなにきちんと車検を受けても20年、30年とそんなに長持ちする車はめったに在りません。

“あなたの体は何年物ですか?” 

毎年一回は、大切な体の調子をチェックして自分の健康を確認しましょう。

 

勘違い
しばしば、こういう人をみかけます。
「検診を受けて何か見つかると怖いから、検診は受けない。」
とんでもない考え違いです。

仮に病気が見つかったとしても、早い時期のものは簡単に治りますし、日常生活の注意点も分かります。科学の進んだ今日、これを役立てない手はありません。検診を上手に活用して、健康で充実した生活を過ごしましょう。

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