一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

古川整形外科医院 院長 古川 泰之

  • 中高年の腰の痛み
  • 投稿者:古川整形外科医院 院長 古川 泰之

中高年の大多数の方は、程度の差こそあれ一度は腰痛の経験があると思います。働き盛りの一家の大黒柱や主婦が腰痛を起こすと、安静がとれず、つらい目に遭うことになります。
腰痛の原因にはいろいろありますが、一般に安静にしていれば、数日から2、3週間で自然に軽減することが多いようです。しかし、無理をすると長引く傾向にあります。  
突然に超こる腰痛(いわゆる″ぎっくり腰″)は、まず無理をせず横になり、腰を刺激しないようにしてひざの下にクッションなどを敷き、ひざ関節と股関節を曲げて安静にし、腰をひねらないようにしましょう。
入浴で痛みが楽になることがありますが、打ち身やねんざなどのけがの場合はかえって痛くなることがあり、あまり暖め過ぎないほうが無難です。またマッサージなどは(踏んでもらうなど強くやり過ぎると)かえって痛くなることがあります。
中高年の女性の場合は、骨粗しょう症のために、ささいなこと(尻もちをつく、不用意に物を持ち上げる等)で圧迫骨折を起こしていることがありますので特に無理は禁物です。
運動不足や姿勢が悪いため、肥満のために腰痛が起こることもあります。痛みが強いときは無理をせず、痛みが治まってから腰痛を予防するために軽い運動(腰痛体操)から開始し徐々に運動量を増やす方がよいでしょう。
長時間の立ち仕事や重い物を持ったり、中腰での作業をされる方には、職業病としての腰痛が多く、治りにくいことがあります。仕事や日常生活動作において腰にかかる負担を減らし腰をかばう、ちょっとしたこつ(重い物の持ち上げ方、いすからの立ち上がり方など)を覚えることが大切です。また″コルセット″や″さらし″を巻いて腰を固定するのも効果があります。  
腰自体には原因がなく、たとえば尿路結石(血尿を伴うことが多い)で腰痛が起こることもあります。ほかにも肝疾患などの内臓疾患が原因のこともあります。
安静にしていても痛みが強く仕事や日常生活に支障がある場合や、神経症状(下肢のしびれ、脱力や排尿障害等)がある場合、特に排尿障害(腰痛出現後に急におしっこが出にくくなるとか、漏れてしまう等)がある場合は、早めに整形外科にご相談ください。

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