一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 子供のひきつけ(熱性痙攣)
  • 投稿者:松行小児科医院 院長 松行 眞門

ひきつけ、初めて我が子の熱性痙攣を見たときは誰でも動揺し、混乱することでしょう。

きつく抱きしめてしまったり、近くの電話にとびついたり、取り乱してしまうことはよく理解できますが、けして望ましい行動ではありません。

まず、おちついて衣服、とくに首のまわりをゆるくします。頭部をやや低くし、体を仰向けにして顔を横に向け頭部はそり気味にします。次いで口腔、鼻孔の吐物、分泌物を取り除きます。
歯をくいしばっているときでも、口の中に割り箸やスプーンなどの物を入れてはいけません。そして体温を測り、発作の長さと状態(定型か非定型か)を記録します。

 
* 左右対称性に強直したり、ガクガクと間代性の全身痙攣は定型発作です。

* 左右非対象または身体の一部の発作、発作の持続が15-20分以上、24時間以内の発作の繰り返す場合は非定型発作です。

初めての発作、10分以上の持続、発作の反復、身体の一部の発作、痙攣後の意識障害の持続、麻痺を伴うなどの場合は直ちに医師の診察が必要です。原因疾患の検索と救急処置を要します。

 
* 治療については一般に次のように考えられています。
熱性痙攣の過半数は1回しか発作を起こさず、3回以上の発作反復は全体のわずか9%です。また神経学的に良性の経過をとることを考慮しますと、「要注意因子」の無い2回以下の場合はとくに予防投与をせずに自然放置が望ましいとされています。

「要注意因子」とは神経学的異常もしくは発達遅滞、非定型発作、てんかんの家族歴、1歳未満の発症、両親または片親の熱性痙攣の既往をいいます。
「要注意因子」を多くもつ例、頻回再発例などはジアゼパム坐剤の間歇投与を行います。

熱性痙攣後の予防接種は最終発作から2-3カ月の観察期間をおき、その間の発達に異常がなければ可能です。

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