一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 子供とスポーツ
  • 投稿者:菊池整形外科医院 院長 菊池 卓

子供の身体は、未成熟であり、発育、成長の途上にあるだけに、スポーツ活動による、強い身体刺激は、体格の向上をもkikuti4たらす反面、身体的な機能低下を引き起こすことがある。子供の頃のスポーツ活動は、神経、筋の機能(調整力)の発達を促進させるのが特徴であり、大人と同様に生体の生理的限界を無視したような、過酷な練習や競技の継続には、十分な注意が必要となる。

1、 成長、発育の特性
子供達の発育、成長は、身長、体重の増加によってそれが強く感じられ、中学から高校生にかけての時期にそれが顕著となる。
 筋、骨格系:
10才位から完成に近づき、特に筋肉の発達は、思春期から著明となる。筋肉は、15才で成人の33%、16才で44%位と云われている。したがって、筋力トレーニングは、14~18才から開始し、筋持久力は、13~14才位から始めるのがよい。しかし、骨の長さの成長を司る骨端線は、16~17才頃閉鎖するので、強力な筋活動はそれ以降が望ましい。

2、 運動器官の発育
 1)発育期の骨の特性
骨、関節、靱帯、筋、腱、などの運動器官の発育成長は遅く、発育期のスポーツ外傷、障害の発生状況は、中学、高校生の体育の授業中とか、クラブ活動中の発症、受傷が圧倒的に多い。受傷部位としては、膝関節、足関節、手指、手関節、肘関節、腰椎、の順に発生頻度が高い。

 2)発育期の外傷、障害の特性、
骨発育期に於ける外傷は、捻挫、脱臼、靱帯損傷に比べて、骨折が多いのが特徴である。又、発育期の骨のスポーツ障害の特性には過度使用症候群(疲労骨折、離断性骨軟骨炎)など、や、骨端症(オスグット・シュラッテル病、踵骨骨端症)、など、がある。つまり、スポーツによる運動負荷は、骨、関節にストレスを生じさせ、それが生理的な許容範囲内であると、骨、関節の成長に好影響をもたらすが、許容範囲を超えると、筋、腱、骨、関節への不可逆的な器質的病変へと進行する。

3、 予防と対策、
子供の外傷(骨折)は、偶発的に発生する為に、予防する事は非常に困難であり、日常的に反射動作の育成に努める事が大切である。
子供の成熟度(骨・関節)、運動能力(スポーツ・レベル)の判断に基づく、スポーツ指導が重要であり、一定期間毎の専門医又は、トレーナー等による、定期検診が最も大切である。

子供のスポーツは、正しい指導がなければ、子供の長い人生に必ず悪い影響を及ぼす事を、指導者は心しておくべきです。

平成20年7月

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