一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 高血圧
  • 投稿者:仏坂内科医院 院長 佛坂 博泰

高血圧とは、最高160mmHg、最低95mmHg以上をいう。 最高は、心臓の収縮期(心臓が血液を全身に送るために収縮する。)の圧力である。最低は、心臓の拡張期(全身の血液を心臓に戻そうとして拡張する。)の圧力のことである。高血圧の原因は、何といっても食塩の採り過ぎにある。
まず第1に、練り物や干し物、漬け物、汁物を食べないようにすることである。 練り物は、かまぼこ、ちくわ、そうめんなどである。魚をすりつぶして人工的に味付けなどをするために重曹や食塩を混ぜる。かまぼこ、ちくわが塩辛くなくても血圧によくないのは、重曹が入っているためである。干し物は、防腐剤の目的で塩を多量に使用する。漬け物しかり。汁物は、薄味にしても量が多いためである。
第2に、遺伝・体質がある。数十年間、夫婦が同じ生活をして同じ食事をしても、片方だけが血圧の高いのはよくあることだ。大抵、おじいちゃんかおばあちゃんに同じく高い人がいるから、遺伝と考えられる。自分で血圧に十分注意する必要がある。減塩により十分高血圧を予防できる。
第3に、イライラ、カッカしないようにすること。年をとってからの血圧は、一度上がるとなかなか正常まで下がらないという特徴がある。20歳代の若い人でもジェット.コースターに乗ると、瞬間的に最高250mmHg、最低150mmHgまで上がる。若い人はすぐさま正常に戻るのであるが、年をとってくるとなかなか戻らないのである。イライラしないように注意しよう。毎日決まった時間に散歩することもよいことである。体を動かすことで気分が和らいでくる。
第4に、二次性高血圧というのがある。腎臓の動脈が細くなって起こる高血圧や、内分泌疾患によって起こる高血圧がある。近くの病院・診療所で検査を受けよう。
食塩の1日摂取量は、九州の人が大体13g、東北の人が17~18g、欧米の人が7~8g、北極圏のイヌイットが3gである。ちなみに人間の生存に必要な1日の食塩量は0.5gである。1日0.5gという食事は、人工的に脱食塩処理でもしなければこの自然界には存在しないと考えてよい。それだけ食物には、それ自体にNa(ナトリウム)という形で食塩が入っているのである。
我々は、練り物や干し物、漬け物、汁物を食べないようにすることだけで、1日摂取量が8gになるといわれている。食事には十分注意して、健康に長生きをしよう。
高血圧とは、叙情詩のように長い間に知らず知らずに採ってきた食文化による集大成のように思える。

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