一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

菊池整形外科医院 院長 菊池 卓

  • 骨粗鬆症
  • 投稿者:菊池整形外科医院 院長 菊池 卓

骨粗鬆症とは、骨に含まれているカルシウム分(骨量)が減少し、大根に鬆が入ったような状態になり、骨がスカスカになってしまう病気です。そのため骨が大変もろくなり、つまずいて転倒したり咳をしたくらいのショックでも骨折してしまいます。高齢になるほどかかりやすく、女性では55歳以降(更年期以降)、男性では70歳以降に多くなり、特に女性に多いのが特徴です。 寝たきり老人増加の主因の1つになっており、その患者数はおおよそ500万~1000万人にものぼるといわれてます。(このうち約80%は女性といわれています)
その原因といいますと、私たちの身体にあるカルシウムは、その99%以上が骨に含まれ、残りの約1%弱は血液や細胞内に含まれていますが、血液中には常に一定のカルシウム濃度が保たれ、身体の機能を調節する役割を果たしています。ところが食物等からのカルシウム摂取量が不足しますと、血液や細胞の中のカルシウムが不足し、この不足分を補うためにカルシウムの貯蔵庫である骨からカルシウムが流出して、やがて骨粗鬆症となってしまいます。特に女性に多い原因としては、骨を造るのに必要な女性ホルモンの分泌が閉経後減少するために、骨の代謝のバランスが崩れ骨量の急激な減少が起こってくるためです。
初期症状としては、背部から腹部にかけて、だるさや重苦しさ、疲れやすさを訴えます。また急性に腰背部痛を訴えるものと、慢性的に腰背部痛や動作時痛を来すものがあります。背中や腰が痛くなり背丈が目立って低くなってきたら、まず骨粗鬆症を疑います。そこで大切なのが予防です。
食事からの、タンパク質、カルシウム、ビタミンDの摂取を多くする
健康状態にあわせて、軽い運動をする
戸外に出て、適度な日光浴をする(日光浴はビタミンDを増やし、カルシウムを吸収しやすくします)
最近の厚生省の国民栄養調査で、他の検査項目はほぼ満足しているのに、カルシウムだけが日立って少ないのです。成人ではl日当たり600mgが必要ですが、平均すると約540mgぐらいしか摂取していないことがわかってきました。特に若い女性(20歳前後)の約15%は、50~60歳代の骨量しかないという結果が出ており、若い世代のカルシウム不足は後々まで影響が出てくることを考えておかなければなりません。  
カルシウムは1日の食事から600~800mg程度摂取できれば理想です。カルシウムを簡単に一番取りやすいのは乳製品です。牛乳1本(200ml)には206mgのカルシウムが含まれていて、朝夕1本ずつ飲めば1日必要量の約半分近く摂取することになります。またほかに、小魚、海藻類、野菜、豆腐もカルシウム補給食品として食事の中にぜひ加えたいものです。日常生活での心がけで骨の老化を遅らせることができます。特に高齢者の場合は、栄養バランスのよい食事をすることが大切です。
骨粗鬆症は、ある意味では高齢者の病気として避けられない面もありますが、充実した老後を送るためには、骨粗鬆症にならないようにすることがこれからのテーマといえます。
年に1回の定期検査を受けましょう。特に女性の場合は、30歳になったら一度検査を受け、問題があれば年1回のペースで…。閉経後は毎年受けるようにしましょう。

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