一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

徳富クリニック 院長 徳富 康男

  • 硬膜外ブロック
  • 投稿者:徳富クリニック 院長 徳富 康男

硬膜外ブロックとは痛みの治療法のひとつです。

これは背骨に沿った皮膚から約5センチメートルの深さで幅約5ミリメートルの硬膜外腔という部分に局所麻酔薬を注入する治療です。

このことにより痛みの悪循環が遮断され、血液の流れが改善します。

硬膜外ブロックは局所麻酔薬を注入する部位により頚部胸部腰部に分けられます。首、肩、上肢、胸部、腹部、腰部、下肢のいろんな痛みを遮断し、これらの部位の帯状疱疹による痛み、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、血行障害などの治療として効果が期待できます。また硬膜外ブロックは手術の時の麻酔や手術後の鎮痛にも使われているほど優れた無痛の状態をつくりだせる方法です。

 

欠点としては、上記のように幅が約5ミリメートルの狭い部分に注射することができる特殊な技術を必要とすることです。特に頚部胸部の硬膜外ブロックは熟練が必要です。

又、非常にまれですが、局所麻酔剤による副作用が起きたり、感染(ばい菌がつくこと)が起きたりする危険性も皆無ではありません。

 

これまでの治療(内服薬や座薬の鎮痛剤、外用薬、理学療法)痛みが取れない患者さんは、硬膜外ブロックの治療を受ける価値があると思いますが、その時は硬膜外ブロックの手技を習熟し、かつ、救急処置に慣れた医師に行ってもらいましょう。

尚、外来での硬膜外ブロック治療の後は1時間ほど休んでおく必要がありますので予約しての受診が良いでしょう。

当クリニックでは平日の午後に腰部硬膜外ブロックおよび胸部硬膜外ブロックを含めたペインクリニック(痛みの治療)を行っていますので御相談ください。

PAGE TOP