一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 胃透視?胃カメラ?
  • 投稿者:石橋外科医院 院長 石橋 雅彦

「胃透視と胃カメラはどちらが良くわかるのですか?」とよく聞かれますが、もし同じなら胃カメラを避けて胃透視にしたいという願望がこめられている様です。

でも、胃透視で異常を認めて胃カメラを受けることはあっても、その逆はありません。それは、やはり診断能に差があるからです。胃透視の欠点をいくつかあげましょう。

 

① 意外かもしれませんが、胃透視の方が撮影、読影とも胃カメラより技術を要します。
② 胃透視は版画の様なものなので、平らな病変はうつし出すことが困難です。
③ 十二指腸や食道の細かい病変は苦手です。
④ 太った男の人の胃透視は、撮影自体が困難です。
⑤ 胃の前の壁と後ろの壁が一枚の平面にうつりますが、前の壁の病変は後ろの壁より困難です。
⑥ 胃内の粘液の多い人は、バリウムの乗りが悪く早期癌発見の為の胃の細かい模様が見えないことがあります。

 

つまり医者が胃透視の後、「異常ありません」というのは「胃透視でわかる範囲では異常ありません」という意味です。一方、胃カメラには上記の様な欠点はありませんが、胃カメラを勧めると嫌がる人は未だ少なくありません。
ただなんとなく痛そうとか、誰々が死ぬ程苦しかったと言ったとか、御自身の経験でない場合も多く、胃カメラの方が楽と言われる方も多いのです。

 

少なくとも癌年令(40才以上)の方は、胃カメラによる検査をお勧めします。

 

平成17年3月

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