一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

  • 視覚障がい者と犬
  • 投稿者:くわの眼科医院 院長 篠原 康之

「視覚障がい者と犬」といえば、みなさんは「盲導犬」を思い浮かべることでしょう。このコーナーの「病気と健康の話」からは少々外れてしまうかもしれませんが、その盲導犬の話をしたいと思います。

 平成7年に当医師会小郡部会より福岡盲導犬協会(現九州盲導犬協会)への寄付の手続きを担当したのがきっかけで、私の医院にも盲導犬の寄付金箱を置くようになりました。かれこれ20年以上になります。患者さんの少額といえども善意の積み重ねで1年間を通してみるとそれなりの額になります。毎年年末にまとめて協会に寄付させていただいています。ありがたいことだと思います。

 さて、盲導犬を1頭育てるのにいくらかかるかご存じですか?500万円以上といわれています。協会には県から補助金がでていますが、運営費はかなりの部分を寄付金が占めているそうです。協会から送られてくる資料を拝見すると、ほんとに幅広く多くの方々から寄付が集まっているのがわかります。

 ご存じのように盲導犬の人生(犬生?)は一般家庭でのパピーウォーキングから始まります。1年後パピーウオーカーから離れ、訓練センターで盲導犬としての訓練がスタートします。1年間の訓練を通して性格面、健康面そして作業面が盲導犬として適しているか判断されます。仕上げは視覚障がい者と一時生活を共にして相性を確認し、センターから巣立ちます。2歳から10歳までの8年間現役で活動し、その後リタイア犬としてボランティアに引き取られ、余生を過ごします。

 盲導犬を希望する視覚障がい者は3000人いるのに対して、実働数は1000頭で、まだまだ不足しているそうです。盲導犬募金を続けることによって、盲導犬の育成の一助にでもなればいいなと思います。皆さまのご協力をお願いいたします。

 2002年から2003年「身体障害者補助犬法」が施行され、補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の公共施設、不特定多数の利用する施設への受け入れに関する環境が整いました。当院に盲導犬同伴で来院された患者さんはまだおられませんが、そのときは暖かく迎えてあげたいと思います。

 

令和4年5月

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