- 脊椎圧迫骨折とは
- 投稿者:神代病院 整形外科 三好 賢一
「脊椎圧迫骨折」とは、背骨が押しつぶされるように変形してしまう骨折を言います。圧迫骨折の主な原因のひとつとして「骨粗鬆症」があげられます。
「脊椎圧迫骨折」は、寝返り、起き上がり、体動時等に痛みが出ることが特徴です。安静にしていると痛みが少ないので、今までは“年齢のせいだから”と見過ごされていることもありました。骨粗鬆症になると尻もちをついたり、くしゃみをしたり重い物を持ち上げたりといったちょっとしたきっかけで、椎体がつぶれることがあり、いつのまにか骨折していることもあります。症状としては痛みをあまり感じない人もいますが、骨折時に背中や腰に激しい痛みを感じるといわれています。つぶれた椎体を放っておくと、背骨全体のバランスが崩れていき、他の椎体にかかる負担が大きくなります。そのため、他の部位に圧迫骨折をおこすことがあります。
健康な骨 圧迫骨折した骨
診断は、背腰部の痛みといった症状、レントゲン、CT、MRIなどで調べます。治療としては、以下のような方法があります。
〈保存的療法〉
コルセットを装着し、ベッド上で安静にします。また、痛み止めの薬を使用します。ビタ要があるため、日常の活動が制限され、長期の入院が必要になることもあります。また入院の上コルセットつけてリハビリを行います。
〈外科的療法〉
手術によって骨を移植したり、金属のスクリューや棒で骨を固定します。手術の際は入院が必要となります。また、骨折した椎体にハイドロキシアバタイトなどを充てんし、安定化させ、痛みを低減させる方法もあります。
転倒したり、転倒していなくても、急に背部や腰部の痛みが出現したら脊椎圧迫骨折をおこしている可能性がありますので、必ず整形外科専門医受診をおすすめします。
平成28年4月