一般社団法人 小郡三井医師会

病気と健康の話

丸山病院 松永雅道

  • シニアーズ・ビー・アンビシャス
  • 投稿者:丸山病院 松永雅道

その時私は患者さんを搬送すべく電話をかけていました。隣の看護士より1枚のメモ「広瀬眼科よりTEL」悪い予感。搬送の手続きを終え広瀬眼科へ電話を入れる。晶一先生とは同期、真惠先生は大先輩、「久しぶり、飯でも食おうや。」との声が聞ければと思いながら待つこと数分、さにあらず、電話の主は真惠先生、開口一番「松永先生、お願いがあるの。」当たっちゃったなと覚悟を決める。その後は「ハイ。ハイ。」と空返事、「私は筆無精ですから満足していただけるような文章は書けませんよ。」とわずかばかりの抵抗を試みるのが精一杯でした。
この小郡三井地区は高齢者も多く、医療、福祉、介護への関心も高いのではと思い今回の内容とさせていただきました。
新聞紙面には、様々な言葉が飛び交っています。少子高齢化、労働人口減少、医療費高騰、医療保険財政の破綻、自由診療、介護保険制度改正等々。
確かに医療が進歩すれば病気で亡くなられる方々は減少し長生きされる、しかし、長生きすれば体のどこかしこに病気が現われる、つまり病院にかからざるを得ない、よって医療費がかかる、これは至極当然です。
若者達はなかなか結婚しない、子供も生まず労働力が増えない、又、働かない(最近ではニートという働かない若者達をあたかも賞賛するかのような言葉まで生まれている)これらは高齢者の責任でしょうか?
介護保険は60才より給付、つまり利用できる(実際は特例があり、特定疾患では40才より利用可)のですが、これは当然の権利です。なぜなら利用料(保険料)を払っているのですから。考えてみて下さい、年金受給者の方は保険料を天引きされています。しかし通帳には記載されません。つまり幾ら支払っているのか分らない方々が大勢おれれるのではないでしょうか。
この二つの事例をみても、はたして高齢者に優しい社会といえるでしょうか。
みなさんの年金を管理運営している社会保険庁の不正、政治家の不正、最近新聞紙面をにぎわしていますが、彼らが悪政(政策決定)を行うのであれば、それを正すのが私達です。
今日投票率の低下が叫ばれて久しいですが選挙に行かないのは若者達です。高齢者の投票率は高いはずです。つまり高齢者には、政治家を、政治決定を行う力があるのです。高齢者の方々は、非常に謙虚で、慎み深く、遠慮深い方が多いですよね、自らの生活を守る為に団結し、政治家に対し「介護保険料を上げるなら落とす。高齢者の医療費の自己負担を増やすなら落とす。介護保険の利用を制限するなら落とす。」この程度の主張をしても罰は当らないでしょう。なぜなら、これまで頑張って日本を支えてきたのは高齢者だからです。
最後に前回の選挙前に新聞に掲載されていた、医師であり作家でもある「なだ いなだ」氏の「老人党旗揚げ」の記事と、福岡で介護保険制度の改悪に対し高齢者が団結し立ち上がった「介護保険に怒る福岡県一揆の会」の存在を報告します。
つたない文章に最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。

PAGE TOP